・いよいよインフルエンザ予防接種の時期がきました。
・この冬から経鼻インフルエンザ生ワクチンという新しいワクチンが登場します。
・これで従来の不活化インフルエンザワクチンに加えて選択肢が一つ増えました。
・不活化ワクチンというのは死んだウイルスの一部を使ったワクチンで、生ワクチンというのは生きたウイルスを弱毒化して使うワクチン（はしかワクチンなど）です。

・今回初登場の経鼻インフルエンザ生ワクチンの特徴は以下のとおりです。
1．経鼻生ワクチンとは？：インフルエンザウイルスが侵入してくるとヒトは抗体という兵隊を作って戦うのですが、不活化ワクチンで作られる抗体はほとんどが血液の中でしか作られずウイルスの侵入門戸である鼻粘膜には誘導されないのでウイルスの侵入をブロックすることはできません。一方、経鼻生ワクチンは鼻粘膜内と血液内の両方の抗体を誘導するのでウイルスの侵入そのものをブロックできます。
2．有効性は？：その年の流行株とワクチン株がどのくらい一致するかによって大きく変わりますが、個人的には不活化ワクチンの有効性を上回るだろうと思っています。今後の市販後調査の結果が待たれます。当院もこの調査に参加しています。また、流行株がワクチン株と多少ずれてもカバーできるようです。さらに、有効性は1シーズンを通して保たれます。
3．副反応は？：ほとんどありませんが喘息のある人では咳や喘鳴が出ることがあります。また軽いカゼ症状を起こすことがあります。
4．接種対象や方法は？：対象は2歳～18歳、1回接種です。左右の鼻におのおの0.1mlずつ噴霧します。注射ではないので痛みはまったくありません。
5．料金は？：1回7,600円です。

・以上の特徴をふまえて当院ではこの冬は経鼻インフルエンザ生ワクチンをお勧めします。コロナパンデミックが収まりこの冬はインフルエンザ大流行の予感がします。予防がより重要性を増します。